歯周病治療
歯周病とは
歯周病とは、歯周組織に発生する慢性疾患の総称です。主な病状としては、歯肉炎や歯周炎などが挙げられます。多くの複合的な要因が重なることで発症することが多いです。
歯周病の原因
歯周病の主な原因は、虫歯の原因でもある歯垢(プラーク)ですが、歯垢を原因としない歯周病もあります。原因となる物質や細菌、生活習慣等は数多く、それらが複合的に歯周病を誘発することとなります。また、他の疾患やその治療薬を原因として歯周病を発症することもあります。逆に、歯周病を原因として他の疾患を誘発することもあり、歯周病は単なる単一の疾患として見ることができない疾患なのです。
歯周病の状態と各々の治療法
歯周病の進行度合いは、歯周ポケット(歯と歯茎の間の空間)の長さで判断できます。
歯周ポケットが3mm程度の場合は軽度の歯周病です。歯周病の病原菌が歯周組織に侵入し、歯槽骨や歯根膜の破壊が始まります。この時期の治療法としては、スケーラーという専用の器具によって歯周ポケット内の歯石を取り除きます。炎症の程度は軽いため、早い段階で歯茎の健康を取り戻すことができます。また、治療においては麻酔を必要としないことが多いです。
症状が進行すると、歯周ポケットの大きさが4mm~5mmまで拡大します。この頃になると、歯槽骨の破壊が半分ほどまで進行し、次第に歯がぐらついてきます。治療では麻酔を用いてスケーリングを行います。その後、歯茎の炎症を起こしている部分を除去します。治療後、しばらくの間はうがい薬による消毒を行うことになります。
その状態さえ放置してしまい、歯周ポケットの範囲が6mmを超える頃になると、歯槽骨は半分以上が破壊され、歯のぐらつきはさらに酷くなります。このレベルまで症状が進行している場合、歯茎の入口部分からスケーリングによって歯石を完全に取り除くことが困難となってしまいます。しかし、歯石を取りこぼすと歯周病を完全に治療できません。そのため、深い部分の歯石の除去のために、歯茎を切開して歯石を除去します。これを歯肉剥離掻爬手術といいます。また、歯の周りの骨が極端に減少している場合、その手術と同時に歯周組織再生療法を行い、骨の欠損部分の再生を行います。具体的には、骨の欠損部分に人工の骨や特殊なタンパク質を充填することで、骨の再生を図ります。