親知らず
親知らずとは
親知らずとは、第三大臼歯、智歯のことを言います。簡単に言うと前から8番目の歯のことで、奥歯の最も奥に位置します。
さて、鏡があればご覧になってみてください。前から数えて1,2・・・6,7,8と数えられるでしょうか。「え?7本目までしかないんだけど?」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、親知らずは生えてこない人もいるのです。あまり珍しいことではなく、4人に1人程度の割合で親知らずがまったく生えていない、つまり前から7番目までの歯しか生えていない人もいます。また、上下ともに親知らずは存在しますが、4本とも生え揃わないこともあります。なお、生えてくるのは10代後半~20代前半であり、既に親元を離れていて親が知らないことから、親知らずという名前で呼ばれています。
親知らずを抜かなければならない場合
「親知らずは抜かなければならない」というイメージを持つ方が多いのではないかと思います。実際、周囲の方で親知らずを抜いたという話を聞いたことが一度はあるのではないかと思います。
通常の歯は上下にまっすぐ生えますが、親知らずが生える顎骨の奥の方には口腔内にスペースが空いていないことが多いため、まっすぐ生えないことがあります。
そうなると、通常の歯磨きではきちんと磨けず、口腔疾患が発生しやすくなります。なので、横向きに生えている場合や完全に露出せずに歯茎に隠れている場合などでは、抜歯する必要があります。また、顎骨に埋まっている場合でも、嚢胞ができている場合にも手術が必要です。
その他、きちんと生えていても虫歯になっている場合には抜歯することがあります。これは、8番目という奥にあることで、虫歯治療のための器具が届きにくいことから、抜いてしまった方が良い場合には抜歯をします。
親知らずを抜かなくても良い場合
そんな親知らずですが、絶対に抜かなければならないかといえば、その限りではありません。きちんと生えて、普通の奥歯として機能している場合は無理に抜く必要がないからです。また、7番目の歯を補綴する際のブリッジ法に利用したり、抜いてしまった別の奥歯に移植するといった利用法もあります。
つまり、親知らずは常に悪者扱いしなければならないというわけではないのです。
もちろん、口腔内の健康を害する可能性もあるので、親知らずを見つけたら一度は歯科医院を受診することをお勧めします。